長距離走行

 サイクリングを始めて,自転車の楽しさがわかってくると,もっと遠くへ行きたい,もっと速く走りたいと思うのは誰も同じだと思います。
 たとえ日帰りであっても,長距離を走るには,途中で食事をしたり,休憩を取ったりしないと,走りきる事は難しくなります。
 もちろん,体力と気力に任せて突っ走るという事もできるかもしれませんが,それでは二度と走る気にならなくなると思います。
 ちょっとした,コツや気遣いで,楽に,速く,長距離を走りきる事ができます。

 
走りはじめは,ゆっくりと走る
 誰でも走りはじめは,元気一杯ですし,先は長いので急ぐ気持ちもあって,スピードを出しすぎてしまいます。
 最初からめいっぱいのスピードで走り出せば,疲れるのも早く,後半はバテバテで,走るのもイヤだけど,走らないと家には帰ることはできない・・・悲惨なサイクリングになってしまいます。
 そうならないためには,走りはじめは,ゆっくりと走る。

どれくらいゆっくりと走るか?

 鼻歌が歌える,周りの景色や看板が見える(前方確認は忘れずに!)程度のスピードです。 一時間はこのスピードで走って,体を慣れさせましょう。
 以後も,一定のペースを保つようにして,急激なスピードの変化はさけることです。

軽めのギヤを使う
 スピードを出したいからと,重いギヤをグイグイと踏んで行くのは疲れるのが早く,長距離走行には向きません。
 軽めのギヤを選択して,足をくるくると回すように走ると,不必要な力を使わずに長距離を走りきる事ができます。

どれくらい回すか?

 最初から早い回転で足を動かす事は難しいですし,無理に回せばすぐに疲れてしまいます。
 足の回転を,歩くピッチより少し速い回転から始めて,常に回す事を意識して走っていれば,自然に早い回転が身に付いてきます。

足の回転は一定に
 上で「急激なスピードの変化はさけることです」と書いていますが,走るスピードではなく,足の回転スピードを,急激に変化させないことが重要です。
 18段〜27段の多段変速が必要な理由がここにあります。
 道路の勾配に合わせてギヤ比を調節することで,足の回転スピードを一定に保つことができます。

休憩を忘れずに
 休まずに走る事は,疲れがドンドンとたまってしまって,長距離走行には向きません。
 適度に休憩を取って,疲れをためないようにします。

どれくらいで休むか?

 基本は,50分走って10分休憩です。
 信号待ちや,観光地での観光もあるので,適当に調整します。
 休みすぎると,だんだんと走る気がなくなってしまうので,できるだけ30分以上は続けて走るようにします。
 特に後半疲れてくると,休みたくなりますが,休んでばかりいると前に進まないので,スピードはゆっくりでも,30分以上は走り続けるようにします。

水分補給を忘れない
 運動をすれば,汗をかきます。これは,夏でも冬でも同じです。
 自転車で走っていると,少しの汗は風で乾いていってしまいますので,汗をかいてないように錯覚しますが,確実に汗をかいています。
 そこで,水分補給が必要になってきます。
 水分補給は,一度にたくさん飲んでも吸収されずに,おしっことなるだけです。
 少しずつ,こまめに飲んで補給します。
 自転車には,ボトルケージを取り付けられるようになっていて,携行したボトルを簡単に取り出す事が出来ます。
 水を飲むたびに,止まってバッグから水筒を取り出して,という手間がかかりませんから,こまめに水を飲む事に抵抗はなくなります。

エネルギー補給をこまめに
 自転車で走ることは全身運動に近いので,意外にエネルギーを必要とします。
 走り出す二時間前までには,しっかりと食事を採っておき,走り出してからは,少しずつ補給していくことが必要です。